彼らの見る先の世界

欲望こそがアイデンティティ.

アイドルは裏切る存在か

まじ外野は黙ってろ!と思われる方沢山いると思うので、閲覧注意でお願いします。

 

 

 

 

なんでアイドルたちってアイドルになったんでしょう。

私だったらせっかくあんな美少年や美少女に生まれたら、それはもう私利私欲の為だけに使いたい。アイドルって、顔だけ(っていうと語弊があるけど)で、あそこまでちやほやされて、美しさを私利私欲の為に使用した最上級の結果なのかもしれないけど、私だったら絶対アイドルになんてなりたくない。まず人に自分の美醜をあんなに好き勝手評価されたくないし、恋愛だって思いっきりしたい。初恋泥棒しまくりたいし、男だったら平成の光源氏として名を馳せたいし、女だったら史上最強の小悪魔くらいの異名を取りたい。アイドルになんてならなければ、どんだけ貞操観念がゆるくても、今世紀最大のクズでも、何千何万の聴衆に晒されて盛大に叩かれることなんて、基本的にはないのに。まぁ個人的に恨みを買って後ろから刺される可能性はあるが。いくつでどんな人とどんな時に結婚を決めたって、こんなぼろくそ言われることないのに。恋愛を楽しんだって、責められることなんてないのに。自分の人生を潤す為だけに、私利私欲の為だけに、自分の美しさを利用できるのに。私にはとてもじゃないけど、アイドルになる、という選択肢は生まれない。何故アイドルはアイドルになるんでしょう。

前にも書きましたが、私からしたらアイドルという職業を選ぶ人の強さが、たまらなく眩しい。私は人生で一度たりともアイドルになりたい、なんて思ったことはありません。そもそもアイドルになるという選択肢が存在するような、容姿には生まれなかった、ということが大前提だけれども。アイドルを見ていると、楽しそう、羨ましいって思う気持ちより、制約が多くて大変そうだな、とか、犠牲とか我慢多過ぎじゃない?っていつも思う。だって美しく生まれたら、アイドルにならなくたって、アイドルみたいに可愛い一般人として生きるほうがずっと楽じゃないですか。交友関係も自由、恋愛も自由、職業だって選べるし、何にだってなれる。アイドルだって、何にだってなれるけど、「アイドルとして」、「アイドルのくせに」、「アイドルのわりに」的な枕詞は一生つくわけだし。私は世界中から受ける、何千何万の歓声より、自分という人間の評価を、顔も見たこともない何千何万の誰かから受けることのほうがずっと怖いから。アイドルになって「アイドルのくせにブス」って言われるより、一般人のまま「アイドルみたいに可愛いね」って言われて、美人すぎる○○、とか、イケメンすぎる○○、とか言われて生きるほうが絶対的に安心で、安全で、安定で、自由なのに。

最近ジャニオタ界隈では色々なことがあった。メンバーがグループから脱退したり、暴露されたり、週刊誌に載ったり、謝罪したり活動自粛したり。その度にtwitterでファンの意見が割れて、喧嘩?したりなんやり。

私は該当グループのファンではないので、外野はすっこんでろ!って思われると思うんですけど、結局野次馬根性丸出しで、色々調べてみたりしてしまった。皆様のブログも沢山読んだ。そこで多用されていた言葉が、「裏切り」や、「守る」、「信じる」などだった。

それを外野ながらに見ていた思ったのは、果たしてアイドルの裏切りとは一体なんなのか、ということだ。

熱愛が発覚したとき

結婚したとき

パフォーマンスに手を抜いたとき

プライベートの素行が悪いのがバレたとき

嘘がバレたとき

ファンの間に動揺と衝撃が走るのは、こんなときだろうか。

私はそもそもアイドルの中の人を信じてない。信じてないというか、中の人と一生関わることないから、信じるも裏切るもクソもない。だって私が好きなのはアイドルとしての顔だ。だって私はただのファンだから、そこしか知らない。もし私が今後好きなアイドルと話す機会があっても、それはハイタッチ会とか握手会とか、そういうアイドルのお仕事の一環ってやつで、彼らのアイドルではない部分は知り得ない。繋がりたいとも思わない。だって私にとって彼らはショーケースに入った憧れの飾り物だから。ずーっとアイドルにはそうやっていてほしい。

けどこうやってたまにアイドルの中の人の実態を知らされることがある。その時に生まれるのは、知りたくなかったというがっかりと、現実突きつけてくんなよ!という怒りと、まぁそりゃそうだよな...という諦めだ。普段あんなに知りたいと思っているアイドルのことを、予期せぬ形で、しかも中の人のことを知らされると、嬉しくもなんともないってのは皮肉だ。別にアイドルのプライベートが清廉潔白であれ、なんて思いやしない。モテるだろうし目立つだろうし、甘い蜜や誘惑も限りなくあるだろう。わかってるんだよ、知りたくないだけで。

そしてきっとファンにとって一番悔しくて苦しいのは、アイドル自身が自分を台無しにすることだ。彼らが今まで歩いてきた決して平坦ではなかった道のりを、思い出を、歴史を、自分自身の手で一瞬にして壊してしまうことだ。ファンがどんなに頑張ったって、またそれを一から積み上げるのはアイドル自身でしかない。ファンは少なからずその後押しをすることしかできない。あなたというアイドルを大事に思っている人はここにいますよ、って主張することしかできない。一度歪んでしまった土台に、また一から積み上げるのは今までよりずーっと大変だ。そしアイドル達自身がそれを身をもって理解しているはずとファンは信じているし、だから「アイドルである自分」をもっと大事にしてくれると思っていたのに。

私はきっと元々現実的で趣味にのめり込んだりしない人間なので、「裏切られた」と思うほど、アイドルという生き物を信じていないんだと思う。というか根本的に、アイドルに限らず、twitterとかのSNSで顔も素性も全くわからない人間と交流すること自体に、私は抵抗があるし、話したこともない人間を信じるもくそもないと思っている。アイドルは観賞用コンテンツであり、もちろんそれは彼らの様々な努力と犠牲と嘘と優しさで成り立っているエンターテイメントだと解釈している。確かにアイドルというのは、私たちのようにタイムカードをきって仕事してるわけじゃないので、よっしゃー定時や!タイムカード切ったったで、今から自由や〜!!!なんてことはないし、ファンの前じゃない時くらい羽伸ばしたいって思うだろうし、それは何も間違えてないし、プライベートだって楽しく過ごしたいってのは何も悪くない。ただ年齢や職業に合わせた適切な限度と対応は忘れちゃいけないとは思うけれども。

ただアイドルの難しいところは、「人としてNGなライン」と「アイドルとしてNGなライン」にズレがあることだと思う。そしてこの「アイドルとしてのNGライン」というのは、ファンそれぞれの個人差が凄まじいです。同じアイドルのファンでも好きなところ、どんなスタンスで応援しているか、お金の掛け方とかは個々それぞれ違うし、ファンの言語統一は絶対に不可能だと思っている。法にさえ触れなければいいという方もいるだろうし、一方で中の人の存在を匂わされただけでがっかりする人だっているだろう。それでもファンという生き物は、色んなことが起きても、好きなままでいてくれるし、信じてくれるし、待っててくれる。アイドルのいいとこいっぱい知ってて、好きなとこがいっぱいあるから。一回好きになったらそう簡単には嫌いにはならない。勝手に好きになって、色々押し付けて、怒ったりモヤモヤしたりしてごめんって思ったりする。「裏切られた」なんて、出来れば思いたくないし言葉にしたくない。けれどもアイドルにかける熱や愛情が大きければ大きいほど、アイドルの言動に傷付いたり、「裏切られた」と感じる度合いが大きい。それほどに「好き」の情熱はすごい。

アイドルってすごいね。何かあった時信じて応援して好きでいてくれる人が沢山沢山いる。そんな沢山の「好き」に守られてる。そんなすごいアイドル達を信じていたい、と思う今日この頃。