彼らの見る先の世界

欲望こそがアイデンティティ.

ジャニーズJr.に刹那を感じる。

当たり前だけど、ジャニーズの世界ってのは弱肉強食、いつ誰がどうなってもおかしくない世界なのだ。

何故私がこんなことを考えだしたのかというと、井上瑞稀くんが理由だ。私は今までこのブログで一度も井上くんの話をしたことがないし、普段からお気に入りのJr.ってわけでもない。なのに何で井上くん?という話なのだが、KAT-TUNに出戻りつつあった頃twitterかなにかで、「ジャニーさんの審美眼はすごい!井上瑞稀くんだって昔はえらいこっちゃだったのに、こんな素敵な少年になるなんて...ヽ(;▽;)ノ」みたいな文章を見たことが始まりだ。その時はもちろん井上くんのお顔はわからなかったし、どんなやねん!って思いはしたが特に井上くんのことを調べたりはしなかったのだが、何故かこのことが私の頭の中に強烈に残っていた。(しかしそれよりも藤ヶ谷父さんだったたいぴーが、あそこまで色気のあるセンターボーイになるまで見抜いた審美眼のが凄いと個人的には思っている。)すっかりKAT-TUNに出戻り、十数年ぶりに少クラを見始めて、井上くんを発見したときは、「この子が例の井上瑞稀くんかーーーー!!!!」と、1人で妙に感動したくらいだった。私根本的に自分より10歳くらい若い子にあまりお熱になれない人間なんで、今のジャニーズJr.の中でも応援してるのは比較的大人な方な子達なんですけれども、なんとなく井上くんだけは見るたびにいつも、おって思う存在だったりした。Hi Hi Jetのメンバーのことは正直井上くん以外はいまいち顔と名前がまだ一致しきらないけれども、彼らが歌うHi Hi JETという曲のスルメソングっぷりがたまらなく好きだった。若くてエネルギッシュでギラついてて、フレッシュやな〜!と思っていた。井上くんははっきり言ってしまえば、私のタイプでもなく、というか若すぎてもはやそんな性的な目で見るのはおこがましいので、推しメンではないのだけれども、なんとなく気になる存在だったりした。

しかしそんな中でもやもすることが起きた。東京B少年の存在だ。いや、正しくはB少年の登場により変わった勢力図だ。いきなり単独でMステに登場し、しかも大トリで、This is ジャニーズエンターテイメント!的なパフォーマンスをしてくれて、あの時まで誰の名前もわからなかった私にすら、彼らは強烈なインパクトを残した。しかも今時ありがたいことにtwitterですぐにメンバーの名前やら相関図やらが知れて、おそるべしジャニオタの普及力...!と思ったのは、言うまでもない。ちなみに私は那須くんの顔がめちゃくちゃ好きだ。

Mステで昔のジャニーズを彷彿とさせる色違いのダサい今時っぽくない衣装を着て、キラキラとパフォーマンスをする彼らを楽しく見ていた、途中までは。そう、私の大好きなHi Hi JETのイントロが流れ始めるまでは、だ。え、あれ?この歌ってHi Hi jetの歌じゃないの、え...と思いはしたが、ジャニーズあるあるなのかな、と思って見ていた。そしたら途中から、井上くんたちHi Hi jetのメンバーが、まるでバックみたいな感じで登場したのだ。えぇぇぇぇ〜...私はなんとも言えない気持ちでいっぱいになった。今回のMステがこういう演出だっただけで、別にどちらが上とか、どっちがどうってことはないんだと思うし、そもそも私だってHi Hi jetのファンではないくせに、何故こんなにもやもやしたのかわからないが、この扱いは何?とひたすら疑問だった。デビュー前のJr.内の各ユニット?グループ?にもそれぞれのオリジナルソングは存在していて、そのオリジナルソングの扱いが彼らにとってどういう扱いなのか、例えば他のグループは歌っちゃいけないとか、そんな決まりがあるのかどうか私にはわからない。けど、なんていうか、元々Hi Hi jetのオリジナル曲を、東京B少年のみんながメイン、元々のメンバーのHi Hi jetがwith〜みたいな感じで歌うのってありなの?って思ってしまった。

そもそもジャニーズJr.の世界っていうのは、きっと私が思っているよりずっと曖昧で、不安定で、シビアなんだと思う。普通の会社だったらある程度年功序列的なもところがあると思うけど、彼らに関しては全くもってそれは関係ない。10年以上所属していようが、1ヶ月目だろうが、ステージの上では関係ないんだと思うし、なんならデビューの時には、今ある各グループなんて全部関係なしにごちゃ混ぜになることがあるのなんて、デビュー組を見たら一目瞭然だ。そう、わかっていたのに、私は改めて思い出してしまったのだ。彼らがいかに儚い存在かということを。かつて私だって好きなジャニーズJr.がメジャーデビューという夢を奪われる瞬間を目の当たりにしたはずだったのに。それが原因でジャニーズ離れをしたくらいだったのに。嵐がデビューしたとき、NEWSが出来たとき。当時私は4topsのファンだったので、山Pのデビューに伴い自然解散した4topsと、その辺りから代頭し始めたKAT-TUNの凄まじい勢いの対比が辛くて、ジャニーズを見るのをやめた。というかほんとにそのへんの記憶がごっそり抜け落ちていて、自分がどうジャニーズ離れをしたのかがはっきり思い出せないくらい、ショックな出来事だったのだ。その後10年以上たった今、風間くんも斗真くんも俳優として活躍していて、アイドルとしてメジャーデビューする以外の道もあることを教えてくれたので、きっと私もあの時デビューさせてくれなかった怒りとかもやもやを昇華できたのだと思う。

今のジャニーズJr.は黄金期再び、と言われるくらい盛り上がってると私は思っていて、各グループともにパフォーマンスのクオリティも高いし、ギラついてて、個性もある。私はその中だとSixTONESとSnowManが好きなんだけれども(ってか私めっちゃ6人組好きやな)、誰かの夢が叶う瞬間は、誰かの夢が奪われる瞬間なんだなぁ、と改めて思う。今だとMr.KINGと東京B少年が一番推されてるのかなぁという印象だけれども、そもそもキンプリ?だって、Mステで6人でパフォーマンスしたときはすごい話題になって、もうそのままデビューするんだ!くらいの勢いはあったと思う。それがところがどっこい事務所の都合なのか、結局また3:3にわかれて、またそうしているうちに新たなグループが生まれて、勢力図が変わって...ってその繰り返しなのだと思う。デビューするだけが道じゃないし、デビュー出来たらいいってもんじゃないのかもしれない。壮大な自虐だけれども、せっかくデビュー出来たのに自己都合で辞める人だっている。正社員とは違う、けど普通の社会人や学生とも違う、特殊な世界だと思う。年齢が上がれば上がるほど、ここにいていいのか、これでいいのか、という迷いは大きくなると思うけれども、それでもステージの上で今日も今日とてアイドルとして振る舞う彼らに、いつか日が当たりますように。

頑張ってね、ジャニーズJr.くんたち。