彼らの見る先の世界

欲望こそがアイデンティティ.

私はいいファンか

私はいいファンでしょうか。

そもそもいいファンってなんでしょうか。 

マナーと節度を守って楽しむファンでしょうか。

お金を惜しみなく使うファンでしょうか。

 何でも「愛せる」ファンでしょうか。

 

勿論マナーと節度を守ることは大切です。やり過ぎた行為、いき過ぎた好意は、時として迷惑にもなるでしょう。

お金を使うのだって大事です。全種買い、全ステ、多名義持ち、全部事務所にとって利益になることだし、多くの利益をあげることはその事務所に所属するタレントにとって大事なことでしょう。

変な髪型にしようが、とんちきソング歌おうが、ファンタスティックな衣装着ようが、スキャンダルをすっぱ抜かれようが、どんなことが起きたってずっと好きでいるのだって、立派なファンですよね。

 

少なくとも私は自分のことを「いい」ファンだと思っていました。何故かっていうと別にスキャンダルも気にならないし、全然過激派じゃないし、オンリー担の他メンバー・他グループアンチでもないし、複数買いはそんなにしないにしても全種買うし、チケットの転売も高額購入もしないし。要は私は自分自身のことを口うるさくなく、マナー違反もない、緩くて節度ある「いい」ファンだと思っていたのです。

では何故私は自分自身のことを「いい」ファンだと思っていたのでしょか。それは私がこういうファンでいたい、というポリシーのもと描いたファン像から自分が大きくかけ離れていないからだと思います。

・スキャンダルで騒がない

・お金を貢ぎすぎない

・自担に盲目にならない

・マナー違反をしない

私はこんなことをポリシーとして持っていました。つまりは冷静なファンでいたかったのです。あくまでもアイドルはテレビの中の遠い存在で、そんな手の届かない存在だから好きだし、彼らも人間であるし24時間アイドルでいてくれ、なんて思わないようにしよう、と思っていました。また盲目的に愛を叫ぶのはやめようとも思ってました。私の好きを、アイドル自身や他の誰かに押し付けるのは「痛い」ことだと思っていたからです。

そもそもなぜ私が「いい」ファンとは何か、を漠然と疑問に思ったかというと、何を隠そう田口淳之介くん絡みです。今もなお変わらず田口くんが好き、田口くんを応援しているファンの方って、ある意味安定した、言い方は悪いけど、太客、だと思います。だってアイドルであった田口くんを好きになったにもかかわらず、アイドルの肩書きを置いた田口くんも受け入れられたファンなわけですし。その中にはそりゃあ盲目的なファンの方もいると思います。盲目的、というと語弊がありますが、田口くんのことが好きで、だからそれ故に田口くんのやることなすこと何でもいい風に捉えれる方、というか。私はとても捻くれた現実的な人間なので、そんな風には捉えられないんですよね。例えば今回の復帰の件についても「こんなに早く表舞台に戻ってきてくれるなんて、田口くんはやっぱりファン想いだね!」なんて意見を見たときは少し驚きました。私としては「さすがに早すぎだろー!!でもまぁ田口くんだって生活もあるからいつまでもニートじゃいられないもんね。とりあえず食いっぱぐれはこれで免れたね!」という、なんとも人間臭い夢のない感想だったからです。前にも書きましたが、「田口くんがきちんとお仕事してきたから今もこうして仕事がくるんだね」とか、「田口くんほどのパフォーマンスが出来る人を世の中がほっておくわけない!」とか、「やっぱり田口くんはファンを大切にしてくれてる♡」なんてことを思ったことは一度もありません。実際の田口くんの人間性がどうだとか、優しい、優しくないなんて話じゃなくて。私が捻くれた夢のない人間だということを加味しても。でも、こんな風に田口くんのことを何でも手放しに褒めたり愛せない私は、「いい」ファンではないでしょうか。こういったことを優しさと捉えられない私は、「いい」ファンではないでしょうか。

私がこんな風に思わないのは、少なからず田口くんに怒っているからでしょうか。私は「KAT-TUN田口淳之介」として選んだ脱退という結論、またそれに伴う彼の言動については怒っています。田口くんが今までアイドルとして過ごした10数年を、疑われ、罵られ、台無しにするようなやり方を選んだことが悲しかったからです。彼が自ら築き上げたものを自ら台無しにしてしまっているような気がして辛かったからです。でも、そのどうしようもない怒りを抜きにしたら、私は「田口淳之介」という一個人のことがたまらなく好きで、これからの彼のことも応援したいとも思っています。

ただ私はこれからも田口くんのことを何でも手放しで喜べるファンには、ならないしなれないでしょう。だからってファンの考えが同じじゃないといけないなんてことはないってわかっています。

人のオタクを笑うな - 彼らの見る先の世界

だって私自身はこう思ってるわけだし。だけどこんな皮肉な想いを抱いている私は、果たして「いい」ファンであれるでしょうか。いや、別に私は「いい」ファンになりたいわけじゃなくて、自分のポリシーを破らないファンでいたいわけなんですけど。あーーー、もう自分でも何が言いたいのかわからないんですけど、でも何というか、自分の思うことが世間様とわりとズレてることが多いので、なんだかもやもしてしまいまして。それをどうにか消化したくて、こんなとこで吐き出してしまいました。お目汚ししてごめんなさい。

けど「いい」ファンって何だろうなぁ。

皆さんの思う「いい」ファンって何ですか???