彼らの見る先の世界

欲望こそがアイデンティティ.

アイドルじゃなくなった彼のこと

田口くんのイベント当たったぞーーーー!

やばい、既に動悸、息切れする!りあるに会いたくて会いたくて震える!こわい!楽しみ!死にそう!

景気付けにCD2枚も買ってしまったけど、あれ1人で2枚買えるんだよね?

それならもう一名義増やしてもう一公演入れば良かったーーー!!あばばばばば!高鳴る!!!世界で一番好きな顔の人とあんな接近戦するなんて!今からダイエットして間に合うかな!あばばばばばばば!!!!

 

 

 

 

そして初めてアイドルではない田口くんに会うことになったので、今までのことを整理がてら真面目に語りたいと思います。

 

 

 

 

あの2015年11月25日 魔のトラウマレッドの日、私はリアルタイムでテレビを見ていました。ずっと楽しみにしていて、登場した瞬間一人で拍手したりなんかしてたのに、突然田口くんがあんなことを言いだして、気付けば泣いていました。あの日はその後ずっとずっと泣きながらTwitterに張り付いて、何故か目を逸らしちゃいけない気がしてKAT-TUNが出ていないところもずっと見ていました。あの時何故こんなにも自分が泣いているのか自分でもわかりませんでした。ファン歴の浅い私は、茶の間に毛が生えたくらいのファンだと自分では思っていたし、訳もわからず泣き続けている自分のことを、気持ち悪いとすら思いました。私の好きになった田口くんがアイドルでなくなること、田口くんが変えてしまった未来、傷付いたメンバーの顔、田口くんを非難する言葉、どれが悲しくて、そして何故それがそんなにも辛いのか。それと同時に私自身が彼のファンでい続けれるのか、あの日はわかりませんでした。

でも2、3日たって私はそこらじゅうに溢れていた田口くんを罵倒する言葉に傷付いたし、腹が立ちました。そのとき私は彼を好きなままでいられたのだと気付きました。それと同時に私は、もうこの田口くんがアイドルでなくなってしまう未来は絶対に変わらないのだと確信していました。事務所がなんやかんや、とか、色々言われていましたが、この頑固で真っ直ぐで意志の強い男たちが、周りの人間に自分たちのことを決められて、素直に頷くでしょうか。私の好きなKAT-TUNは、そこで首を縦に降るような男たちではないと思っていたので、この脱退という選択は、田口くんの意志によるものなのだと思っていました。受動的なものではなく自発的なもので、そしてもう何を言われても何をしても揺らがない決断だったからこそ、生放送で自らの声で発表したのだとも思いました。だから私は彼のこの決断を応援することも、否定することも出来ず、ただぼんやりと眺めていました。あの時沢山の方がハガキを送ったり、色んなことをKAT-TUNの為にしている中で、私は結局一度も何もしませんでした。彼らの決断は変わらないと思っていたし、私が彼らに伝えたいことが何なのかわからなかったからです。私は常々アイドルにはアイドルを楽しんでもらいたいと思っているので、アイドルとしての未来を望まなかった田口くんに、辞めないで、と言うのは何か違うような気がしていました。なんというか、彼らを好きになった人間として、私はただ受け入れて見届けたかったし、ただ彼らには幸せになってほしいのです。私にはオタク仲間もいないし、Twitterなんかでの繋がりも一切ないので、誰にも吐き出せない代わりに、誰かに攻撃を受けたりする事もありませんでした。ただどう思う人が多いのか知りたくて、皆さんのブログやTwitterは沢山見ました。色んな意見があって、色んな情報が溢れ出していて、無意味に傷付いたり怒ったりもして。私は田口くんのことを好きでありながら、田口くんに怒っていたし、また、彼が叩かれるのも仕方ないと思っていました。田口くんは何も言わなくて、いつもと変わらずニコニコと飄々としていて、ぶっとび発言も多くて、あまりにも邪推される余地がありすぎました。彼は何も悪くない、事務所のせいだ、田口くんはいつも美しくて正しいの!と盲目的にかばうファンの方も、全部全部田口のせいだ!早く出て行け!と怒るアンチの方も、私はどちらも共感できず、なんだかもやもやとしていました。その2つの極端な意見を違う、と言い切るだけの根拠も力も私にはなかったし、当事者でも関係者でもない私たちファンに、「正解」なんてあるわけないとも思っていましたし、どうしてみんなそんなに自分の意見の「正当性」を主張したがるのかわかりませんでした。でも逆にジャニオタとしての知識や情報、経験がない分私の出した答えは、メンバーの言うことだけを信じるということでした。彼らの言うことが必ずしも真実であるとは思いませんでした、でも彼らがそういうならそれを信じたい、と思いました。「信じる君がついた嘘ならそっと心にしまうよ」ってりあるに呟きましたよ、えぇ。

あの日以降もいびつなまま、でも彼らはいつも通り美しく気高い男たちであり続けました。自らネタにして、傷付きながらも、強く、優しい彼らが、悲しくも愛おしくもありました。あの日からの時間は不思議な時間でした。私の目に映る彼らはいつもと変わりなくて、そしていつも以上に美しいアイドルでいてくれたのに、田口くんとのお別れのカウントダウンは確実に進んでいて。このまま終わらない夢を見続けられるんじゃないかと錯覚してしまうほどのものでした。

でも、それでも、「3人のKAT-TUN」としての活動は始まっていて、10Ks!ツアーの発表がありました。私は嬉しさよりも、悲しさと受け入れきれない気持ちが溢れて、より自分を情けなく思いました。3人の強さや優しさを踏みにじるようなファンにはなりたくなかったのに。私はそれを自ら手放した田口くんのことばかり考えていました。3人のKAT-TUNを見たくないと思う自分が、KAT-TUNのファンを名乗る資格はないと思っていたので、来たるべき時が来たら、私もジャニオタを卒業するのだと思っていました。けれどもお別れをする為のカウントダウンを、彼らが彼ら自身を擦り減らして見せてくれるこの夢の続きを、いつものKAT-TUNではないはずなのに、いつものKAT-TUNでい続けてくれる彼らを、応援したいと思わずにはいられませんでした。この混沌とした世界の中の光は、やはりKAT-TUNでしかありませんでした。

あの4人最後のMステの日、亀ちゃんは懸命に「KAT-TUN亀梨和也」であろうとして、中丸くんも震える声で平静を装ってくれて、上田くんは素直に泣いてくれて、田口くんはいつもどおり泣かなくて、私の愛したKAT-TUNのまま、その姿を見せてくれました。そのまま何もないまま、私が世界で一番来て欲しくなかった3月31日を迎えて、あっけないほど静かに田口くんのKAT-TUNとしての、アイドルとしての幕は降ろされました。まぁそのわずか数時間後に、ファンのポエムなんてどこ吹く風で、よく寝た感じのぴっかぴかつっやつやの可愛い笑顔で、野生の田口くんとして現れるという、盛大なズコーーーー芸をかましてくれましたけどね!!!

その盛大なズコーーーー芸のおかげで、10Ks!ツアーを楽しみだと思う余裕が出来ました。あの発表以降、KAT-TUNの現場に行くのはとても怖いことでした。私が普段ブログやTwitterで見ている、何千何万もの意見というか、生の声が、そこにはあるからです。誰がどこで何を言っているかわからないし、私のような人間はここにいるべきじゃないのかもしれないと、とても不安でした。自分と違う意見の人間を攻撃したり排除したりしようとする人間は一定数いるし、人の生の声が溢れる場所に行くのは怖かったし、田口くんを好きなままKAT-TUNのファンを名乗るのはどこか後ろめたいと思いながら現場に向かう自分が、なんて憶病者なんだろうと思わずにはいられませんでした。田口くんが変えてしまったKAT-TUNを、それでも続いていくKAT-TUNを、見なければいけない、なんて悲劇のヒロインのような気持ちになっていましたが、野生の田口くんを見たことで、目が覚めた、というかとんでもない人好きになったんだった、と笑うしかありませんでした。ツアーの初日はそこに田口くんがいない、ということがとても悲しく、でもそれと同じくらい楽しく、一曲書けるんじゃないかなってくらい感傷的な気持ちになりましたが、それでもやっぱりKAT-TUNは私の好きなKAT-TUNのままでした。このツアーのおかげで私は、KAT-TUNを好きな気持ちと田口くんを好きな気持ちは共存してもよいのだと吹っ切れることが出来ました。KAT-TUNである3人が出した充電という結果を受け入れ、待っていられるという気持ちになれました。

 野生の田口くんの出現に救われた私でしたが、それでも私はアイドルではなくなった田口くんを見たいとは思っていませんでした。これからはどこかで穏やかに静かに暮らして、表舞台には現れて欲しくないとも思っていました。また誰かにボロクソ言われるところを見たくなかったし、アイドルであった彼を美しいまま自分の中に保存して、上塗りしたくなかったのです。野生の田口くんはいつも可愛かったけれど、この人毎日何してんだろ、りあるニートだな、と不思議な気持ちになりました。でも彼はまた表舞台に戻ってきました。しかも驚きのスピードで、しかも歌手で。またここで2回目の盛大なズコーーーー芸をかましてくれました。また笑うしかありませんでした。そしてアイドルじゃない彼を受け入れられるか、なんて不安を抱いていたとは思えないくらい、私は喜んでいました。こんなに泣いて笑って、でも好きでいるんだから、私は心底田口くんのファンなのだとしみじみ思いました。しかしこんなに田口くんのことが好きな私でありながら、田口くんがきちんとしていたからお仕事が今も来るんだね、とか、田口くんのパフォーマンスがこの世から求められないわけがない、なんて盲目的な気持ちになったことは何故か一度もありません。ただ、田口くんのこの私には絶対に持ち得ない強さと、潔いほどの決断力と、自分に正直に生きる自由さに、どうしようもなく惹かれるのだと思います。そしてやっぱり世界で一番顔が好きです。きっとこれらからも彼が自由に自分の好きなように生きる姿を見続けるのが、私の幸せなのでしょう。はーーーほんととんでもない人好きになっちゃったなぁ。

世界で一番憎くて大好きな田口くん。

これからもよろしくね。